セイバー指標の代表格「OPS」について解説してみる。出塁率・長打率もついでに解説【セイバーメトリクス】

データ・セイバーメトリクス関連

どうも野球好きのためのフォーラムサイトgeek894.com管理人の894です。

今回は、セイバーメトリクス解説の第2回目として、セイバー指標の代表格の1つとして知られる「OPS」という指標について解説していこうと思います。

従来の打者評価に加え、今やMLBの公式記録の1つにもなっているOPSについて知れば野球を見る楽しみが増えること間違いなしです!

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セイバーメトリクスの基本について

以前の記事でセイバーメトリクスの基本的な考え方と、私がよく使う得失点差から導くピタゴラス勝率という指標について解説しています。

数字が苦手な人でもわかるセイバーメトリクスの基本【ピタゴラス勝率の解説あり】
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また、セイバーメトリクスを学ぶ上でオススメな本なども紹介しています。

これからセイバーメトリクスを学びたいという方にオススメな本はコレだぜ!
どうも野球好きのためのフォーラムサイトgeek894.com管理人の894です。 今回は、これからセイバーメトリクスについて学びたい!という方の参考になるハズ間違いなしの本を紹介してみようと思います。 実際、私もかなり参考にして...続きを読む

 

https://geek894.com/2017/sabermetrics/2368

 

OPSとは

OPS(オプス、オーピーエス)は On-base plus slugging の略であり、野球において打者を評価する指標の1つ。 

冒頭でもお話しましたが、OPSは現在米MLBの(メジャーリーグ)の公式記録の1つにもなっています。

従来の、打率・本塁打数・打点だけでは測ることができなかった打者の能力を評価する指標です。

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OPSの計算方法

OPSの計算方法はものすごく簡単です。

OPS=出塁率+長打率

たったのこれだけです(笑)

たったのこれだけなのですが、出塁率や長打率を個別で見た場合よりも、OPSとして見たほうが得点との関連性が高くなります。(理由は後述します。)

出塁率・長打率

OPSの説明なのにいきなり出塁率・長打率なんて出てきても、ちょっとよくわからないですよね。

両者を簡単に説明してみます。

 

出塁率(OBP:On-base percentage)

$$出塁率=\frac{(安打+四球+死球)}{(打数+四球+死球+犠飛)}$$

出塁率は、その名の通り打者がどれだけ出塁したかを示す指標です。

少し計算式を見てみるとわかりますが、相手の守備のミスを除いた出塁をすべてカウントしています。

犠牲フライの数も考慮されるため打率よりも出塁率が低くなることがあります。

(打率の計算では犠打がカウントされない。)

OPSが得点力と高い相関を示している理由の一つは、出塁率が考慮されているためだと個人的に考えています。

よく言われることなのですが、出塁率は「打者がアウトにならない確率」だと言い換えることができます。

野球は「3つのアウトをとられるまでにランナーを本塁に返すゲーム」であることを考えると、ランナーがアウトにならず出塁するということはそれだけ得点につながりやすくなると考えることができるのではないでしょうか。

 

例えば、100打席で30安打してその他すべての打席で三振もしくは凡打のA選手がいたとします。

A選手の打率は.300(30/100)で、出塁率も.300です。

B選手は、100打席で30安打、10四球、5死球、5犠飛、残り50打席は凡退でした。

このB選手も打率はA選手と同じ.300ですが、出塁率は.500になります。

このように、打率は同じ選手でも出塁率を比べるとどちらの選手の方がアウトになりにくい選手であるかは一目瞭然ですね。

チームとしては、同じポジションに同じ打率の選手がいたとしたら、出塁率が高い選手を使ったほうが得点につながりやすいということになります。

 

ちなみに、NPB史上最も高い出塁率を残したのは1986年の落合博満選手で.487、メジャーでは2004年のバリー・ボンズ選手がこれまた驚異の.609を残しています。

これまた余談ですが、この年のボンズの成績は[.362 45本 101打点 OPS1.421]という恐ろしい成績で、フォアボールだけで232回も出塁していたことになります。

今後出てこないであろう凄まじい成績です(笑)

 

長打率(SLG:Slugging percentage)

$$長打率=\frac{(単打数×1+2塁打×2+3塁打×3+本塁打×4)}{打数}$$

長打率とは、「1打数でどれくらいの塁打数(長打)が得られるのか」を表したものです。

「長打率=長打を打つ確率」だとよく勘違いされていますが、この計算式の分子を見ればわかるように単打も含んだ値なので長打の確率を表しているわけではありません。

「率」とついてはいますが、長打率が表しているのは塁打数の平均であって、その最高値は4.000なので厳密にはパーセンテージとは言えないのかなと思っています。

(先日のヌルデータ管理人さんのツイートで気づきました…「percentage」って百分率のことだよね?確かにどうしてこんな名前になっているのか謎だ…)

閑話休題

長打率の優れている点は一体どこにあるのかというと、打率では表すことができない打者の打撃力と走塁能力を見ることが出来るという点です。

つまり、「長打力の高い選手=ランナーを進めやすい選手」ということになり、これも出塁率と同じように打率に比べて得点への貢献度が高い指標と言われています。

例えば、100打席で30安打、その30本すべてが単打のC選手がいたとします。

この選手を単純に打率で見ると.300(30/100)で、長打率を計算してみると.300と打率と同じ値になります。

もう少し極端な例を出してみましょう。

D選手は100打席で30安打、15単打、5二塁打、5三塁打、10本塁打という恐ろしい成績を残しました。

この恐ろしいD選手も打率はC選手と同じ.300ですが、長打率は0.888になります(笑)

このように、打率だけ見ると同じような成績の選手でも、細かい打撃成績を考慮した長打率を見ればどちらが優れた選手か一目瞭然ですね。

 

長打率のシーズン最高記録は2013年のバレンティン選手の.779です。(60本打った年)

ちなみに、先日驚異の一軍初出場初代打初本塁打からの翌日デビューから2打席連続のホームランを放った広島サビエル・バティスタ選手のこの2打席目までの長打率は4.000です(笑)

その後も4号ホームランまでの10打席では長打率は1.800とこれまた驚異の数値です(笑)

 

出塁率と長打率のメリット

出塁率・長打率の項目でも挙げてみましたが、それぞれの指標のメリットをもう一度まとめてみます。

  • 打率では表せない出塁能力・打撃能力・走塁能力が反映されている
  • そのため、打率が同じような選手同士を比べた時にどちらの選手を起用すべきかを考えやすい
  • 選手の個性を見つけやすくなる
  • 打率に比べて得点への貢献度が高い

このくらいでしょうか。

OPSだけでなく出塁率・長打率のそれぞれの指標を個別に見ることで、選手の能力をより詳細に見ることができそうです。

 

出塁率と長打率のデメリット・問題点

このようにメリットがたくさんあるように思える出塁率と長打率ですが、問題点やデメリットも持ち合わせています。

  • 出塁率偏重になって打率を軽視しがちになる
  • 長打率が実際は確率を表していないこと
  • 塁打数だけでは走塁能力を十分に反映できていない
  • 個々の指標ではカバーできない打撃能力がある

たぶんもう少したくさんデメリットや問題点があるはずです。

最近よく見かけるのが一番上の問題で、出塁率が得点との相関が高いということが一般的になってきてからは、打率をある種無視して出塁率や長打率のみで選手を評価しているところがあります。

実際、打率3割と出塁率3割であれば出塁率3割の方が価値があるというのは事実ですが、打率.250出塁率.300の選手と、打率.300出塁率.300の選手を見比べた時に前者のほうが価値があるかのような見方をする人が結構いるように感じます。

出塁率という指標を高めることももちろん重要なことですが、打率をおろそかにしていては出塁率も上がらなくなってしまうという点を忘れてはいけません。

また、長打率は打撃能力と走塁能力を見ることのできる指標ですが、塁打数を平均しただけでは打者の走塁能力を十分に反映できているとは言い難いのかもしれません。

たとえば、走力を必要とするプレーとして内野安打が挙げられますが、内野安打であっても外野前のポテンヒットであってもシングルヒットであればそれはすべて単打として扱われます。

ホームランも同様で、場外ホームランでもランニングホームランでも同じ本塁打として処理されます。

これらのことをどこまで無視していいものかは悩ましい点ですね。

打者の純粋な長打力を計るには、長打力を使わず「IsoP」などの指標を用いたほうが適切でしょう。

あくまで長打率は「1打数あたりの塁打数の平均値」に過ぎません。

 

OPSの特徴:得点との相関が高い指標

出塁率と長打率の説明だけで意外と長くなってしまいました(笑)

てことで本題のOPSの話なのですが、OPSの特徴として得点との相関が高い指標であることが挙げられます。

出塁率や長打率単体でも打率に比べるとかなり相関が高くなりますが、それらを合わせたOPSはより高い相関関係を示してくれます。

実際にそれぞれ検証してみます。

 

利用するデータ

今回のデータもヌルデータさんのデータをお借りしています。

今回は2016年度のセ・パ両リーグで規定打席数に到達したバッターの得点と、打率・出塁率・長打率・OPSそれぞれの相関関係を調べました。

今回の検証に利用したデータは以下のリンクで公開しています。

404 NOT FOUND | GEEK894.com
何事も広く浅くほどほどにがモットーです。

※本来はチームの得点との相関関係を調べるべきなのでしょうが、めんどくさいので選手の得点で代用しています。(その打者によってもたらされた得点なのでこれで問題ないはず…。)

 

打率と得点との相関関係

打率と得点の相関係数は0.472でした。

安打を多く打つことが得点につながりやすいのは当たり前なので無関係なことはありえませんね(笑)

 

 

出塁率と得点との相関関係

出塁率と得点との相関係数は約6割を示しました。

アウトにならなければならないほど得点につながりやすいというのは本当のようです。

 

長打率と得点との相関関係

出塁率と比べると多少ばらけてしまいましたが、長打率との相関関係も十分にありそうです。

実際に検証してみても、出塁率と長打率は打率に比べて高い相関関係を示すことがわかりましたね。

長打率が高い選手は、それだけランナーを進めやすい選手だということでしょうか。

 

OPSと得点との相関関係

そして本題のOPSです。

ご覧のとおりグラフを見てみても明らかなデータにまとまりが見えます。

相関係数も出塁率単体よりも高い0.629を示しています。

ちなみにOPSの平均値を出してみると0.785でした。

規定打席に到達するような打者は皆一流と呼ばれる選手たちだけあって、それだけチームの得点に貢献しているということがわかります。

もう少し検証するデータを増やせばより高い相関が得られそうですが、今回はめんどくさいので1年分のデータにとどめておきます(笑)

 

OPSのまとめ

ほとんど出塁率と長打率の解説に費やしてしまいましたが、これら2つの指標がOPSの解説も兼ねていたりもします。

OPSとは、「アウトにならない確率」を表す出塁率と「ランナーの進めやすさ」を表す長打率のいいとこ取りをした指標なのです。

特に難しい計算の必要もない上に得点との相関もそこそこ高いので、選手の総合的な打撃能力を調べたい時には非常に有用な指標と言えます。

 

OPSの基準値

先ほどのグラフにもありましたが、シーズン終了時に規定打席に到達するようなバッターのOPSは7割後半を示します。

OPSの数値を用いて選手を以下の表のようにランク分けすることもあります。

ランク評価OPSの範囲
A素晴らしい.9000以上
B非常に良い.8334 – .8999
C良い.7667 – .8333
D.7000 – .7666
E平均以下.6334 – .6999
F悪い.5667 – .6333
G非常に悪い.5666以下

引用:OPS(野球)-Wikipedia

OPSが1を超えてくるようなバッターは、ホームラン数や四球数に加えて打率も高い数値を残す傾向があります。

 

OPSの問題点

しかし、いくらOPSが有用な指標といえども、すべてにおいて完璧な指標は未だに開発されていません。(少なくとも私の知る限りでは)

当然、OPSにもいくつかの問題点があることが知られています。

  • OPSを見ただけでは打者の個性(タイプ)が判断できない
  • 盗塁や進塁に関する記録が加味されていないため打者の走塁能力が軽視されている

その他いろいろ

Wikipediaに載っているだけでもこれだけの問題点があります(笑)

(そのほかの参考文献は記事したのリンクからどうぞ)

実際、これらの問題点を改良した指標が多数開発されてきましたが、OPSの市民権を奪う結果にはいたっていません。

つまり、計算が簡単で意味も理解しやすいOPSは「誰にでも扱いやすい指標」として価値があると判断されているのです。

 

最後に

こういった解説記事を書いていくと自分の考えをまとめられて良いなと思う反面、ついつい余計なものまで書きすぎてまとまりのない文章になってしまいますね(笑)

実際、私もまだまだセイバー指標そのものを勉強している真っ最中であり、その全てを理解するには114514年はかかりそうです。

今後もこういう記事を多く書いていけるように少しずつ勉強していきたいと思います。

 

最後に一言、「野球はいいぞ!楽しいぞ!by野村謙二郎」

「セイバーもわかってくるとより楽しい!はず!by geek894.com」

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