先月開催されたアップルスペシャルイベントでマックブック プロ2021が発表されました。アップル独自の新プロセッサ「M1 Pro」と「M1 Max」を搭載されている新型マックブック プロですが、従来モデルのマックブック プロと比べて、どれだけ進化したのでしょうか。本記事では、14インチマックブック プロ2021 M1 Pro8コアと13インチマックブック プロ2020を比較して、主に進化した点を中心に見ていきたいと思います。
プロセッサ
まずは、アップルスペシャルイベントで最も注目を集めた話題、M1チップの処理性能の違いについて比較して行きます。「現在全世界で最もパワフルなチップだ」と発表された「M1 Pro」と「M1 Max」ですが、「M1 Pro」の8コアは従来モデルの「M1」と同じ8コアなのだが、構成が変わっています。「M1」は高性能コア4と高効率コア4で、GPUが8コアに対して、「M1 Pro」は高性能コア6と高効率コア2で、GPUが14コアです。新モデルの「M1 Pro」は高効率コアの数を増やして、高性能化を推進し、重いアプリや作業をさせても、動作を軽くするようにしています。
CPUベンチマークスコアのシングルコアスコアはあまり差がなく、M1 ProのマルチコアスコアはM1の約35%の性能向上となっています。
チップ名 CPUコア数 | シングルコアスコア | マルチコアスコア |
M1 Pro 8コアCPU | 1767 | 9948 |
M1 8コアCPU | 1705 | 7382 |
ディスプレイ
13インチマックブック プロ2020は輝度が400ニト、ピーク輝度が500ニトのRetinaディスプレイを採用していましたが、14インチマックブック プロ2021ではLiquid Retina XDRディスプレイを採用し、ミニLEDテクノロジーいにより、従来モデルの2倍以上の輝度が最大1000ニト、ピーク輝度は1600ニトと鮮やかで、豊かなHDR表現が可能になりました。さらに、14インチマックブック プロ2021は最大120Hzの高リフレッシュレート可能のProMotionテクノロジーをディスプレイに採用しています。解像度は13インチマックブック プロ2020が2560×1600ピクセル(227ppi)で、14インチマックブック プロ2021が3024 x 1964ピクセル(254ppi)です。
ディスプレイのデザインに関しては、14インチマックブック プロ2021でノッチデザインが導入され、表示領域が拡大されました。まだマックブックでのノッチに慣れていないのか、あまり良い評価はないのですが、メニューバーが画面上部に固定表示されているOSだからこそ使用できるデザインだと思います。しかし、メニューがノッチのある場所に表示されたり、ノッチがないかのようにプログラムやゲームの情報が被ってしまい、まだまだノッチ対応のOSとプログラムを増やすことが必要ですね。ノッチと被る問題の「解結」に、ノッチ非表示モード(互換モードみたいな機能)が搭載されていますが、少々損した感じになりますね。
ポートの違い
13インチマックブック プロ2020はThunderbolt3(USB4)ポートが2つと3.5mmヘッドフォンジャックしかないに対し、14インチマックブック プロ2021はThunderbolt3(USB-C)ポートが3つ、HDMIポートが1つ、SDXCカードスロットが1つ、3.5mmヘッドフォンジャックと、そして充電ポートとしてMagSafe 3ポートが搭載されました。MagSafeが搭載されたため、Thunderbolt4端子を自由に使え、とても便利です。やはり、従来モデルでは充電中はThunderbolt3が1つしか使えなかったため、新モデルでの搭載ポート数がとても嬉しいですね。さらに、MagSafe 3はマグネティック充電に対応するため、充電ケーブルを引っ掛けたせいで、マックブックを地面に落下するという事故を防ぐことができます。
バッテリー
バッテリー持ちに関しては従来モデルのほうが上で、充電なしで最大20時間のビデオ再生が可能に対して、新モデルが最大17時間です。インターネット利用時では結構の差があり、13インチマックブック プロ2020が最大17時間で、14インチマックブック プロ2021が最大11時間で、6時間も差があります。おそらく「M1 Pro」のほうが高効率コアが多いため、消費電力が大きいのでしょう。
キーボード
キーボードはすべてのMacBookシリーズに、バックライト「Magic Keyboard」が採用されるようになったため、両モデルともほぼ同じです。ただし、13インチマックブック プロ2020に採用していた「Touch Bar」が14インチマックブック プロ2021ではなくなり、ファンクションキーが復活しました。
スピーカーとマイク
両モデルともキーボードの両サイドにあることは同じですが、従来モデルはハイダイナミックレンジステレオスピーカーを搭載しており、新モデルは音質を向上させるフォースキャンセリングウーファーを備えた6つのスピーカーを搭載されています。マイクに関しては、両モデルとも高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つマイクを3つ搭載していて、ノイズがなく通話で声をクリアにはっきり届けてくれます。しかし、自前のマイクを持っていないので、タイプしながらの通話は内臓マイクではなく外部マイクのほうをお勧めします。
カメラ
カメラは720pからハイビジョンの1080pのカメラに進化しており、少し暗い場所でのパフォーマンスが2倍になっていて、解像度も2倍になっています。また、「M1 Pro」の活用により、ナチュラルなスキントーンで映します。
販売価格
本記事で比較した2つのモデルでは10万くらいの違いがあります。13インチマックブック プロ2020が14万8280円からで、14インチマックブック プロ2021が23万9800円からですね。結構な違いがありますが、新モデルのほうがとても性能的に優位性ですので、使えば納得します。
まとめ
パソコンに負担がかかる作業を日常的にしない方には13インチマックブック プロ2020で充分だと思います。「お財布に余裕がある」、「いつもパソコンに重いプログラムや負担がかかる作業をさせる」というユーザーたちには、やはり14インチマックブック プロ2021をお勧めします。