どうも毎度おなじみHachiQ4です。
今回は、先日のOpenIVが配布中止となった件に対してロックスターゲームスがようやく公式見解を発表したのでまとめてみます。
Steamをはじめ様々なレビューサイトでGTA5の評価ががた落ちなようです(笑)
ロックスターゲームスの公式見解
先日のOpenIVの配布中止措置に対してのロックスターゲームスの公式見解が海外メディア(PCGAMERおよびKOTAKU)を通して発表されました。
その全文を私なりに訳してみました。
Take-Twoによる今回の措置は、特にシングルプレイヤーMODを対象としたものではありません。残念ながら、OpenIVはGTAオンラインにおいてプレイヤーへの嫌がらせをできるよう悪意ある改ざんを可能にします。我々は(GTAオンラインの)プレイヤーに悪影響を与えることなく、創造的なコミュニティをどのようにサポートし続けることができるかを検討しています。
ロックスターから得られた声明はこれだけとのことです。
PCGAMERはこれ以上の情報を求めロックスターに問い合わせをしていると説明しています。
ちなみに、テイクツー・インタラクティブからは何も回答を得られていないそうです。
OpenIV配布中止の目的はオンラインの保護
この公式見解によると、OpenIVに法的措置をとった最大の目的は「GTAオンラインのプレイヤーを保護すること」にあると考えているようです。
GTA5のオンラインモードはMODの利用およびチーター行為を認めていません。
(当然です)
ところが、皆さんご存知のとおりGTAオンラインにおいて、チーター行為をしているプレイヤーが居るのは事実です。
テイクツー・インタラクティブおよびロックスターゲームスは、悪質なチートプレイヤーをGTAオンラインから排除する目的でOpenIVへの法的措置をとったようです。
OpenIVがGTAオンラインに悪影響??
しかしながら、OpenIVを使ってGTAオンラインでチート行為を行うことは可能になるわけではありません。
OpenIVを使ってできる行為は主に以下のようなことです。
- rpfファイル内のファイルの閲覧
- モデルやテクスチャファイルの入れ替え
- パッケージによるMODのインストール
これだけです。
むしろOpenIVは自らのポリシーとして「絶対にGTAオンラインを乱さない」ということを掲げていました。
実際、GTA5のゲームフォルダ内に「ASILorder」が入っているだけでも弾かれるようになっています。
しかも、オンラインでチーター行為を行っているプレイヤーはOpenIVを使ってオンラインでのMOD利用を可能にしているわけではありません。
(チーターは「Jordan’s mod menu」を使ったり自分でメモリをいじったりとかしているらしいですが、その手のことには明るくないので省略。)
OpenIVというただのファイルブラウザを潰したところで、オンラインでのチーターを排除することは不可能なのです。
ロックスターゲームスは本当にMODを許容し続ける方針か?
ロックスターゲームスはこれまで「オフラインでのMOD利用」を許容してきました。
そして、今回の公式見解でも最後の方で「創造的なコミュニティをどのようにサポートし続けることができるかを検討する」としています。
この発言だけみると「ロックスターゲームスはMODコミュニティの存続を認めている」ととれます。
もしかすると本当にOpenIVがオンラインに悪影響を与えるチーターを生み出すツールだと思っていたのかもしれませんが、ゲームの開発元がこの程度のことを理解していないとは思えません。
これまた仮定の話でしかありませんが、「発表されていること以外の法的な問題があった」もしくは「オフラインユーザーがオンラインへ流れてくることを期待していた」といったことも全くないとは思えません。
今後もMODを利用してプレイすることは可能なようですが、OpenIVが使えない以上GTA5のMODコミュニティは急速に廃れていくでしょう。
(GTA5MODSにアップされるMODの大半が車両MODやキャラスキン)
GTA5自体の評価が急落
今回のOpenIVへの法的措置は販売者とプレイヤーの両者にとって不利益なものでした。
SteamをはじめとしたレビューサイトでのGTA5の評価は大荒れ、販売元のテイクツー・インタラクティブの株価は急落といった状況です。
どうしてこんな事態に陥ったのかは単純明快です。
- OpenIVを潰してもオンラインのチーターは困らないこと
- OpenIVを使えなくすることはGTA5の可能性を狭めるものだったこと
誰も今回の件に納得していないからです。
MOD文化がもたらす販売元への利益
ビジネスの面からオフラインでのMOD利用を考えると、「オンラインコンテンツが売れなくなってしまうため販売元にとっては好ましくない」というのは本当でしょうか?
GTA5のPC版を購入してオンラインプレイを一度模したことがないという人が一体何人いるのでしょう。
もし仮にテイクツーが「オフラインでのMODを認める→オンラインプレイヤーが減る→利益が下がる」という図式を思い描いているのだとしたらそれは大きな間違いでしょう。
以下にその考えに至った私の考えをまとめてみます。
GTA5の収益源
GTA5の収益源は大きく2つです。
- GTA5のソフト本体の販売
- GTAオンラインのシャークマネーカードの販売
通常SteamやAmzonなどでGTA5を手に入れたユーザーは既にテイクツーの収益源となっています。
(クラック版(割れ)によってGTA5を手に入れたプレイヤーを除く)
その内、GTAオンラインのプレイヤーで課金アイテムを購入したユーザーが一体何割を占めているのかはわかりませんが、少なくともGTA5が売れ続けるだけでも大きな収益であることは変わりません。
GTA5×MODの魅力を売り出すべき
GTA5をわざわざPC版で購入するユーザーはどうしてコンシューマー版を選ばなかったのでしょうか?
これも単純です。GTAシリーズには根強いMOD文化があったからです。
どうしてPCゲームの文化が根付いていない日本にもおいても多くのPC版ユーザーがいるのかという点を考えてもらいたいです。
MOD文化はGTA5のゲーム性を否定するものではない
GTA5は、これまでのGTAシリーズの世界観を残しながら新しい魅力を作り出すことに十分成功しています。
これにMODによって手を加えることで「より楽しくGTA5を遊びたい!」というのがMODコミュニティの総意だと思っています。
決して、GTAシリーズのゲーム性を否定するわけでもクオリティの低さを露呈させる目的でもありません。
MODコミュニティによって勝手にゲームが宣伝される
これもMOD文化による恩恵のひとつといえるでしょう。
GTA5のMODが増えれば増えるほど、それをYouTubeなどで見た人は「GTA5は人気のゲーム」なのだと感じるはずです。
「GTA5をみんなでより面白くしようよ!」というノリが大きな宣伝効果を上げていることを無視するべきではありません。
MODコミュニティを尊重しなければGTA5は売れない
GTAオンラインでの課金ユーザーを増やすには、そもそもGTA5のプレイヤーを増やさなければいけません。
実際、PC版のGTA5を購入する理由のほとんどが「MODを使えるから」です。
しかし、今回の一件で「MOD目的でPC版GTA5を購入しようとしていたけど使えなくなったから買うのをやめた」という人は少なくありません。
今後も増え続けるはずことは目に見えています。
もちろんPC版を求めるプレイヤーが単にオフラインで自分の盆栽を作って楽しんでいただけかというとそれだけではありません。
当然、通常のストーリープレイやオフラインで好きなように暴れる楽しみもありますが、今作GTA5から本格的にオンラインがサポートされたことを受けて新たなコミュニティが出来上がってきたことは事実です。
私自身もたまにではありますが、オンラインでのレースを楽しんでいました。
「オンラインの保護」を名目に、オフラインユーザーをオンラインに誘導する目的でMODに制限をかけてしまった判断は大きな間違いだったと気づくべきです。
テイクツー・インタラクティブは今回の判断ミスによって今後得られるはずだった利益を得られなくなってしまったのです。
「オフラインでのMODを認める→オンラインプレイヤーが減る→利益が下がる」という図式の間違い
結果として、今回の一件でGTA5の評価は地に落ち、テイクツー・インタラクティブの株価は下がり続けています。
そして、今回のことで改めて分かったことは以下の2点。
- PC版GTA5を求める理由はMOD
- GTA5自体が売れなければオンラインコンテンツによる収益は得られない
テイクツー・インタラクティブは、今一度ミクロ経済学の初歩に立ち返って「機会損失」について学び直すことをおすすめします。
最後に
最後の「MOD文化がもたらす販売元への収益」という項目は単なる私の意見です。
客観的な分析による意見ではありませんので信頼性はありません(笑)
今回のロックスターの発表によってわかったことは、「早急にMODコミュニティが潰されることはなさそう」というくらいでしょうか。
正直、これだけでOpenIVへの措置について納得してくれるほど世界中に広がったコミュニティは甘くありません。
今後の寛大な対応を期待しましょう。