どうも早朝からHachiQ4です。
今回は、GTA5のMOD愛好家にとって非常にショックなニュースです。OpenIVチームが今後のOpenIVの開発を中止することを発表しました。
今朝6時頃何気なくTwitterを見ていたらとんでもないニュースが目に入ってしまい正直それで目が覚めてしまいました。非常に残念です。
OpenIVチームによる発表
OpenIV was discontinued due to Take Two Interactive request.https://t.co/GZZk4G9WFf#OpenIV #GTAV #GTAIV #RDR #MaxPayne3 #modding #RIP
— OpenIV (@OpenIV) June 14, 2017
OpenIVチームが6/14に突然の声明を発表しました。
その内容を一言で言うと「我々はもうOpenIVの開発をしない。」という内容です。
少し詳しく見ていきましょう。
まぁぶっちゃけかなりをGoogle翻訳に頼ってはいますが(笑)
ロックスターゲームスによる申し立て
We feared that this day would come… And now it’s here.The day, when GTA modding was declared illegal.
冒頭の書き出しです。
「我々はGTAのMODが違法と判断される日を恐れていた。そして今その日が来た。」とあります。
以降は要約していきます。
2017年6月5日に公式の停戦協定書を(テイクツーから)受け取った。
それにはこのように書かれていたといいます。
OpenIVは、第三者がソフトウェアのセキュリティ機能を無効化し、それをテイクツー・インタラクティブの権利に反して改ざんすることを許可している。
※「テイクツー・インタラクティブ」:GTAシリーズの販売者
つまり、今回の異議申し立て人ですね。
このテイクツーがOpenIVチームに対して「OpenIVというツールの存在自体がテイクツーのGTAに関する権利侵害である」と訴えたみたいです。
OpenIVチームの正当性
しかしながら、OpenIVチーム自身は自らに正当性があることも主張しています。
我々は約10年もの間GTAをより良いものにするため可能な限り努力を続けてきた。それは、常に法律とPRの狭間にある戦場で「グレーゾーン」だった
これに付け加えて以下のような暗黙の了解があったことも示唆しています。
- 厳密にロシアの民法を守ってきた
- clean-room reverse engineeringのみしか行っていない
- 元(おそらくバニラ)のデータやコードを配布していない
- そして、絶対にオンラインを乱していない。
OpenIVチームは自身の信念を持って、互いの権利を侵害しない範囲でGTAシリーズのMODに携わってきたことを強く主張していますね。
実際、ロックスターの公式サイトでも「オフラインでのMODの利用は許可する」という旨が明示されてきたはずです。
正直言って、今回の声明はあまりにも突然のものだったのでかなり驚いています。
(個人的な意見としては、オフラインでのMODの使用を認めたほうがPCゲームとしての寿命は長くなるはずと考えています。)
OpenIVチームはロックスターゲームスと争わない方針
そして、この通告に対してOpenIVチームは以下のように受け止めているようです。
- この通告書は技術的にも文法的にも文字通り読み書きできない。(ディスってる?)
- 我々は裁判に出て、我々の行為は合法であることを再度証明することができる。
- しかし、我々は裁判を行わないことを決めた。
このように判断した理由は、「少なくとも数ヶ月は裁判にかかる時間や膨大な労力が必要になるため」であり、加えて「しかも、これによって得られるものはほとんど何もないため」としています。
OpenIVチームはOpenIVの配布停止を決定
このような経緯によって、OpenIVチームは彼らの申し立てを全面的に受け入れる方針を固めたようです。
そして、今後のOpenIVの配布を中止することも明言しています。
この決断は難しかったとする一方で、「MODが違法と判断された時点で、今後の活動を続けていくことは不可能である。」としています。
「もし仮に、テイクツー・インタラクティブの最高責任者が法廷でMODの使用を許可することがない限り」とも付け加えています。
OpenIVチームによる最後の謝辞
最後の部分で、これまでにOpenIVに携わってきた人々への謝辞が述べられていたので申し訳程度に…。
With many thanks for all modding community for all your fantastic creations,
OpenIV team.So long, and thanks for all the fish.
『これまでにMODに関わってくれた全ての製作者の素晴らしいクリエイションに感謝します。』
『本当に長い間、すべてのお馬鹿達よありがとう。』
思えば私もGTA4時代からですので、OpenIVには6年弱程お世話になってきました。
そう思うとなんだか寂しいですね…。
OpenIVを開くとアンインストールを勧められる
試しにOpenIVを開いてみるとアップデートが始まります。
「なんだ~いつも通り使えるんじゃ~んお騒がせなやつめ~」となったのも束の間次の瞬間現実を突きつけられます。
要約:2017年6月5日、我々はテイクツー・インタラクティブからの公式な申し立てにより、「MODは違法な行為」と判断されたため、我々のプロジェクトを終了せ雑負えなくなった。
我々は法的な問題を回避するためにも、OpenIVをアンインストールすることを強くお勧めする。
実際、これまで通りOpenIVを使うことはできます。
「Uninstall later」選択すると通常のOpenIVの画面とともに、以下のページに飛ばされます。
しかしながら、OpenIVチーム自体が権利侵害であると認められた現在、これまで以上の法的な問題に直面する可能性があります。
これまではOpenIVという後ろ盾があったから自由にMODで遊ぶことができていましたが、今後はそのようにはいきません。
MODはこそこそと隠れてプレイするほかなくなってしまったのです。
OpenIVチームの活動停止の影響
OpenIVチームの活動停止は一体何を表しているのでしょうか?
そのまま「GTA5のMOD界隈が終了する」という意味なのでしょうか?
個人的にはそのように捉えても間違いじゃないような気がします。
現状、OpenIVがほとんどのMODのプラットフォームであることは間違いありません。
今後、類似のツールが出てきたとしても、今回のようにテイクツー・インタラクティブもしくはロックスターゲームス本体からの申し立てで潰されることは目に見えています。
当然、我々のようなMODを楽しんできたプレイヤーもそうですが、これまでModderとして活動してきた人達にとっても大きなダメージであることだけは間違いありません。
GTA界隈からPCユーザーが離れていくこともありえない話ではなさそうですね。
現在はロックスターゲームスの公式見解待ちなこと
OpenIVが権利侵害と判断された現在、いくつか気になることがあります。
- 一般のプレイヤーが既に配布されているMODを利用する行為
- 既に導入済みのMODへの対処
- ScriptHookVやRAGE PluginHoolへの対応
- およびそれらを利用したスクリプトMODへの対応
- これまで認めてきたオフラインでのMOD利用について
まだまだ気になることはいくつかありますが、とりあえずはこんなもんでしょうか。
OpenIVチーム自体は活動を停止したものの、それに納得できないプレイヤーやModderが数多く居ることは事実です。
上述のとおり、既にOpenIVをインストールしていたユーザーはこれまで通りOpenIVを利用することもできます。
「ロックスターゲームス」もしくは今回の異議申し立て人である「テイクツー・インタラクティブ」に、これらへの公式な見解をいち早く出していただきたいものです。
YouTubeへ実況動画を出していた人たちもしばらくは大人しくしておいたほうがいいのかもしれません。
6/16追記:ロックスターの公式見解が発表されましたが…
この記事を書いた翌日、ロックスターゲームスの公式見解が発表されました。
詳しくは以下の記事をご覧下さい。
最後に
正直言って、このニュースはとてもダメージが大きいです。
何らかのジョークであって欲しい…そう願ってはいますが…。
GTA5だけでなく、GTA3以降のグラセフシリーズにとってPC版のMODというのは大きな魅力の一つでした。
それを自分たちの手で捨ててしまったロックスターゲームス及びテイクツー・インタラクティブに対しては、非難する声が相次ぐことでしょう。
もしかしたら、今後自分たちの手で公式にMODをサポートするようなことになるのかもしれませんが、これまでのGTAシリーズを見てみるとほとんどありえなさそうです。
今回のニュースがPCゲーム界にとって大きな傷とならないことを願うばかりです。
追記:OpenIVチーム復活のために協力できること
以下のページからロックスターゲームスおよびテイクツー・インタラクティブへ向けて、OpenIVチームのプロジェクトを復活させるための署名活動が行われています。